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風の吹くまま気の向くままの生活雑記
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「念友・本能寺」観に行ってきました。

 @吉祥寺。前進座。マチネ。

 BASARA舞台の興奮冷めやらぬうちに、ちょっとムシャクシャして買ったw いやだって三成の中の人がでてる上にこのタイトルよ? 信長様ネタに滅法弱いワタクシは会場でチラシ見たときから結構ぐらついてはいたけれど、「あんまり露骨なのもなー(;´∀`)」とか「公演期間短いし、平日夜くらいしかチケット残ってないよなー。でも帰りに行くには吉祥寺遠いよなー」とかでストッパーかかってたんですが、土曜の昼公演チケがまだあるというんでガツっとたががはずれた感じ。一緒にいったKちゃんにはチケ買ってから「取っちゃったけど行くよねー?」と事後承諾でメール送るという有様w ごめんね! でもありがとう!
 それが約一月前の話。

 んでもって当日。お天気快晴! 昼から鈍行に揺られて吉祥寺へ。それで着いたときには開場のお時間でした。吉祥寺遠いよ吉祥寺(;´Д`) 
 でも駅からも迷わず一本道で無事にたどり着けましたー。
 中にはいるとお花の香りが濃厚。すごいねー。中川あっきーからもお花きてました。銀英伝つながりですかね(^▽^*) こっちもたのしみです。っていうか18日のキャストトーク……。フォーラムなので多分帰りの足は問題ないのが問題w;

 おいといて。

 扉前の物販コーナーではDVDの予約販売と、パンフとブロマイドの販売。ブロマイドは衣装版とPVの時の白衣装版があるという念の入り方w さすがです。写真どれもきれいだったなー。買わなかったけど。
 とりあえずパンフだけ買って席へ。

 前進座は普段歌舞伎とか落語とかやってる劇場だそうで、狭いながらも花道完備。客席もけっこう年輩のお客さんの姿が少なからず見えましたが……大丈夫なのかなあと人事ながらちょっと心配に。いや内容知らないんでどの程度の念友加減なのかはわからんのですがw; やっぱり若いお嬢さん多かったけどね!

 舞台開始前に、紺の袴姿の俳優さんが3人たたたーっとでてきて前説。携帯の電源切ってくださいとか花道の俳優さんにおさわり厳禁とか、DVDの撮影入ってますとか。
 それからひたすら強調されたのが『笑ってください』。「DVD撮影が入っているからといってもお客様はお気になさらず『笑ってください』(ここ3人声を揃えてw)」「むしろ意識的に『笑ってください』」w ついでにコール&レスポンス「笑ってくれるかなー」「気が向いたらー」というやりとりで〆。しょっぱなからやってくれますw
 上演時間は約二時間五分(幕間なし)とのこと。一幕ものとしては長いけどまー日頃幕間あり二時間半~三時間の舞台見つけてるので問題なし。そういやバサラも休憩入れて3時間弱だったっけ。

 以下ネタバレ含む雑感。畳まないので見たくない方はご注意







 お話的には信長様が上洛を果たして足利義昭を将軍に据えたあたりから本能寺の変まで。主に光秀視点でのお話なので信長様がなに考えてるか本当に最後までわからないw
 そんな信長様への憧れからちょっとはみだしたあれこれを持て余していた光秀が野心家秀吉にいいように転がされてついうっかり謀反人にされてしまったが、最後の最後で二人愛を確かめあって幸せに燃え尽きましたとさ。めでたしめでたし。という話。身も蓋もないけどほんとにその通りだからね! 嘘だと思ったらDVD買うといいよ!

 幕開きは信長様の「敦盛」の舞から。謡の声もご本人かな。いい声ー。黒い着流しに赤黒の扇で舞う信長様と、鼓を打つのは光秀。
 暗い目の照明の中でどこともしれない場所の二人のシーンは美しかったです。

 前半は前説で言ってた通りのコメディパート。でもその中で織田の譜代の家臣たち+秀吉と微妙に溝のある立場の光秀。そして光秀によくかまう秀吉。秀吉の女好き発言も多い割には光秀かまいたがるし、名前順も二番目だし、信光前提で秀→光も盛ってくるのかと思ったらさすがにそこは見た人が適宜脳内補完してください程度な感じだったw

 後半はシリアスパート。野心をむき出しにした秀吉は光秀の振りをして本能寺を襲撃。寝間着姿で応戦する信長さま、所々で助けに入る家臣たちでもう殺陣に次ぐ殺陣! クライマックスは秀吉vs光秀+信長様(手負い)。もう竹光のぶつかって鳴る音が席までバシバシ聞こえてきてすごい迫力だった!
 そして戦い済んで燃え上がる本能寺の一室でいまわの際の告白合戦して、幕。

 キャラ付けの面白さと殺陣の迫力はよかったすねー。でもなんというか感想に困る。最後の10分がどうにもいたたまれない。腐耐性はぜんぜんあるんだが、なんかジェットコースターのまっすぐ落下コースの時のような気分だった。今すぐここから逃げたいみたいな。デレる信長様なんてレア物すぎて頭真っ白になったせいかもしれないw; 見てる方が恥ずかしいんだー! 帰りにKちゃんと二人して変なテンションで乾いた笑いを浮かべあったり、「感想に困るねー」と言い合ったり。まじ一人で観に行かなくて良かったと思った帰り道でしたよ。この何ともいえない気分は実際みないとわからない…と思うw;

 あとシリアスなんてコントと殺陣の飾りです的な脚本はそれはそれでいいんだけど、所々どうしても言葉遣いが気になったなー。男同士の同性愛関係を全部「念友」って言葉でくくってるけど、文脈的にそこは「衆道」って言った方がしっくりくるなーと思ったところ複数。
 あと、ラストで蘭丸・光秀・信長様が愛の告白とかするんだけど(蘭ちゃんは当の本人には言わないが)、やっぱさー「愛してる」とか時代劇で言うのは止せ! 途端に安っぽくなるから。明治以前の日本でそんな言い回しはないわー! 好いてますでも惚れてますでもお慕いしていますでもいいじゃないかー! 信長様に「おまえを愛しておった」とかいわせんなー! こっちが恥ずかしいわー! 
 ……ここで告白台詞に引かずに済んだらうっかり翌日のチケットを買ってしまったかもしれないからまあよかったのかなという気もするがw

 なんだろう、若いファンに配慮した結果なのか(「念友」の意味知らないで観にきて会場でうわーってなったという感想もみかけたしw;)、単に脚本家の語彙不足なのか……。


とりあえず役者さん雑感。順番はわりと適当。

 中村光秀はかわいい。そしてけなげ。信長様に踏まれても蹴られてもひたすら信長様を信じて、信じようとして、耐えちゃうところは普通にDV旦那とだめんず女房な趣w; でも本人無自覚で、蘭丸の存在にもやもやしたり、「これ信長様の似顔絵」て出された紙をどうしても踏めなかったりとなんだかとっても乙女。そうかと思うと京都守護職を秀吉と一緒にって言われて、何で自分だけじゃないんだー! とこっそり吠えてたり、秀吉が「蘭丸はこんなに殿に媚び媚びなんですよー」と実演させるために蘭丸の格好させた忍びにドロップキック×2かましたり結構アグレッシブw このドロップキックがすごい高さあってきれいでした。おさすが(^▽^*)
 全体的にこう「戦のない世を作るため信長様を信じてついていきます!」ってキャラで、某無双の光秀っぽい感じでした。…ときどきみどりんの声が聞こえたような気がするよw

 青ベースの衣装に細くて長いポニテがまた可愛くてよい感じでした。殺陣でくるくる動くと大変美しいです。
 本能寺突入のときの白ベースの衣装も美しい~。光秀に限らず全体に衣装良いね! すごい見栄えがする。

 真島信長は見た目からワイルド男前オーラ全開でかっこよかったです。パンフの写真がまたかっこいい。なのになんだか気分のムラが本当に激しい人で、猫なで声で「魚が可愛いのう♪ 月がうまそうじゃのう♪」とか言ってたと思ったら「延暦寺焼いてこい!」とか言っちゃうようなそんなお人。わりとスタンダードな信長様像なかんじかな。ムラが激しすぎてぜんぜん何考えてるか見えないのでこの人の部下やってんのはマジ大変そう。
 終始黒ベースの裏地赤のお衣装で、大変かっこいいんだけど時々プロレスの人のようだなとか思ったりw;
 信長様の本心は本当に最後の最後で明かされるんだけど、ちゃんと戦のない世を作りたくて苛烈な戦をしてましたよって感じ。そこらへんは以外と普通の人だった。しかし、光秀に「辛く当たって悪かったな」とかって言い出して、それが実はおまえを愛しておったからだったとか。本能寺に駆けつけた光秀の顔を見たときやっと悟ったとか。……っていうか信長様小学生かーーー!と盛大につっこみを入れたい。裏拳三つくらいお見舞いしたい。…ここ笑うところ? いやでも周り笑ってなかったな。
 あのシーンを笑わずに演じきった真島さんは偉いとおもいます。
 最後、信長様を看取って光秀がいったん膝の上の信長様の体を抱きしめるんだけど、ほんと、キスシーンとかなくて良かったようなw; 

 市瀬秀吉はチラシの時はちょんまげだったのに舞台ではつんつんに逆立てた髪型だったので最初誰かわからなかった…。
 信光ストーリーっぽいのにキャスト順が信長さま差し置いて二番手だったので、どんな風に絡むのかなーと思ったら黒幕でした。本能寺の変を光秀に起こさせたのは秀吉という陰謀論のさらに一歩先を行った「光秀の振りをして本能寺の変を起こした」という設定の秀吉でした。前半のオーソドックスな「猿」のイメージから後半は一転してクールな野心家に変貌するところがかっこいい。信長様を追いつめて傷負いの信長様と光秀を向こうに回しての二刀流の殺陣はむちゃくちゃかっこよかったー! 赤いひらひら衣装もよく映えて美しかったです。
 秀吉はしきりに自分の女好きを強調したり、光秀に向かって「念友とかわかんねーし」「念友とか気持ち悪い」などなどいうわけですが、強調しまくることでかえって「実は光秀に惚れてんじゃねーの」疑惑が強まるわけですな。「三回言うと意味が反対になる」って影丸も言っていたじゃありませんかw
 …誰のものにもならないならばまだいいが、ほかの誰かのものになっちゃうくらいならいっそこの手で壊してしまえ的な、そんな情念のほの見える秀吉だったかなあと思いました。


 織田家重臣トリオ

 それぞれ雰囲気でてておもしろかったですw
 ほぼ説明セリフ担当だったけどなw でも若いイケメン揃いの舞台で渋いおっさまがいると空気が引き締まるというか地に足が着く感じがしてほっとするね。
 でも権六さん本能寺で死んじゃだめだー! あなたにはまだシズガタケが残っているのだー!
 丹羽さんと滝川くんのコンビもかわいくてよかったw
 滝川君は最初配役みたときびっくりした。「なぜ一益が綺麗系ーーー?!」っと。しかしルックスは良いのだが発声が最悪なのだよ。狭い箱の上にマイクも使ってんだから無理に声張り上げなくてもいいのにな。台詞が棒だと芝居も棒に見える。動きは若い分よく動いてて良いなあと思ったのでボイトレ頑張ってください。

 蘭丸
 「ふ、ふ、ふ~」という不気味な笑い声がトレードマークの蘭ちゃん。この人もさすが蘭丸だけあってルックスいいんだけど発声が今一つ。オカマさんの作り声みたいな…役作りでわざとなのかな? Life系の役者さんてわりとあんな声の出し方するような気がするから劇団カラーなのかな。
 秀吉の部下の忍者で蘭丸に化けてますってことで「影丸」役も兼任。殺陣シーンはあんまりなかったけれど光秀のドロップキック食らったりなかなかおいしいポジの人でしたw
 この人が本能寺で信長様の最後の盾になって秀吉と戦うんだけど、そのとき衝撃の告白が。実は光秀を愛してたらしいんだが…どこにそんなフラグが??? 光秀にはなんか小馬鹿にしたような声掛けしかしてなかったような気がするけど、もしかしてあれ愛情表現だったのか? なんてわかりにくい主従……。
 でも最期に駆けつけた光秀にはなにも告げず、ただ殿を守ってくれと言い残して事切れるんだよね。信長様にぶたれても蹴られても逆らわない光秀に「けなげですね」って言ってたシーンがあったけど、けなげなのはあんたも大概だ。なみだ。


 微妙~なところも少なくないけどお値段分は楽しめた感じです。
 なんだろう宝塚に通じる何かを感じるような。個人的に。








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