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「チーム・バチスタの栄光」続編。
今度は三人称の物語になって前回よりもボリュームアップ。しかしながらラノベ並みの読みやすさは保持されてます。1時間でポイント押さえつつ1冊さくっと読み終わる。通勤の友にはもってこいです(片道30分電車なので往復でちょうどいいw)。
小児科医療にはいいたいことが色々あるのか、愚痴問題提起な部分も増量。登場人物も多種多様。それでいて、「コイツ誰だっけ?」にならないのはスゴイ。医療の現場や、病気の知識を織り込みつつ門外漢読者を置いてきぼりにしない手腕は秀逸だなー。読みながらドラマか映画を見ているように脳内に映像が展開する。患者の子供が心底ハマってる特撮ヒーローの設定とかもずいぶん作りこんであるなあと感心しました。良いディティール小説ですね。
ただまあ、読んでる最中はそうやって面白く読んでるんだけど、全部読み終わって、さてどんな話だったかなと思い返すとこう、細部の描写は細密ですばらしいんだけど全体のデッサンが微妙に狂ってる絵を見ている気分になりました。
ぶっちゃけこれは無理に殺人事件入れて「ミステリー」にしなくても、両目摘出の病気にかかってしまった少年と看護師の心温まる話、で良かったんじゃないかなー。だって殺人事件は病院外部で起こってて、関係者が病院関係者である必然性も特にないし。人物の書き込みが多い割には被害者にあまりに誰も同情もしない悼むこともないんで事件の心情的比重も軽いし。なんというか好きなもの(人物・設定)盛り込みすぎて具がふやけてはみ出したなべのような按配になってるような気がします。
もともとラノベ感漂う人物造形(「ロジカルモンスター」とか「眠り猫の千里眼」とか「デジタルハウンドドッグ(電子猟犬)」とかの大仰な渾名付けとかねw)と、今回のメインガジェットがどうにも常識の則を越えてる感じなのがむず痒い。というか共感覚の話と、殺人事件とで焦点がぶれた印象です。ラストの亡くなった女の子の映像を歌で再現シーンとかは美しくてよかったけど。むしろこっちを基調にしてハヤカワJAあたりで出したほうがはまりそうw
後書きによると、もともとAiという映像による死体解剖つか検死技術についてのアピールのためにミステリー書いてる先生なんだそうで。ううん、それならそれでハウダニット物としてそこを焦点にして欲しいなと思ったり。
面白いんだけど、ちょっと残念な感じ。
そういえばラノベ的というかキャラ小説っぽいキャラ立ての割に、あんま共感とか同情とか萌とかはかき立てられないなあ。コテコテすぎるから?
今度は三人称の物語になって前回よりもボリュームアップ。しかしながらラノベ並みの読みやすさは保持されてます。1時間でポイント押さえつつ1冊さくっと読み終わる。通勤の友にはもってこいです(片道30分電車なので往復でちょうどいいw)。
小児科医療にはいいたいことが色々あるのか、
ただまあ、読んでる最中はそうやって面白く読んでるんだけど、全部読み終わって、さてどんな話だったかなと思い返すとこう、細部の描写は細密ですばらしいんだけど全体のデッサンが微妙に狂ってる絵を見ている気分になりました。
ぶっちゃけこれは無理に殺人事件入れて「ミステリー」にしなくても、両目摘出の病気にかかってしまった少年と看護師の心温まる話、で良かったんじゃないかなー。だって殺人事件は病院外部で起こってて、関係者が病院関係者である必然性も特にないし。人物の書き込みが多い割には被害者にあまりに誰も同情もしない悼むこともないんで事件の心情的比重も軽いし。なんというか好きなもの(人物・設定)盛り込みすぎて具がふやけてはみ出したなべのような按配になってるような気がします。
もともとラノベ感漂う人物造形(「ロジカルモンスター」とか「眠り猫の千里眼」とか「デジタルハウンドドッグ(電子猟犬)」とかの大仰な渾名付けとかねw)と、今回のメインガジェットがどうにも常識の則を越えてる感じなのがむず痒い。というか共感覚の話と、殺人事件とで焦点がぶれた印象です。ラストの亡くなった女の子の映像を歌で再現シーンとかは美しくてよかったけど。むしろこっちを基調にしてハヤカワJAあたりで出したほうがはまりそうw
後書きによると、もともとAiという映像による死体解剖つか検死技術についてのアピールのためにミステリー書いてる先生なんだそうで。ううん、それならそれでハウダニット物としてそこを焦点にして欲しいなと思ったり。
面白いんだけど、ちょっと残念な感じ。
そういえばラノベ的というかキャラ小説っぽいキャラ立ての割に、あんま共感とか同情とか萌とかはかき立てられないなあ。コテコテすぎるから?
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