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風の吹くまま気の向くままの生活雑記
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 @シアターブラッツ。ソワレ。新宿の100席程度の地下劇場。大変前時代的な風情漂う劇場でした。こんな狭いとこに芝居観に行ったの初めてかもしれないw 大変「アングラ劇場」の気配漂う芝居小屋。

 朝っぱらからザーザーの雨降りで、昼すぎてもちっとも収まる気配がなくて呆然。座席指定なしの先着順自由席なので席がぽっかりあいて演者に申し訳ないとかもないし、やめてもいいかなーとかも思いましたが結局行ってきました。せっかくチケット取ったしね。小谷君観たいしね。

 天候も考えてちょっと早めに出たら、開演一時間前に着いちゃったはいいものの、劇場の入口がわからなくてその辺うろうろしてしまった。で、気づいたときには結構な人数並んでてびっくりした。ウロウロした分のロスがちょっと悔しいね。
 並んでるのは意外と若いお嬢さんが多くて、コニー&植野堀効果かな。男性も多かったのは主演の女優さんのファンらしい。中入って座った席の後ろの人たちがそんな感じだった。
 開演までの会場内のBGMはもちろんアニメアッコちゃんの曲。

 しかし狭いのもあるけど、千秋楽で人がほぼ満席になるだけ来ちゃったらしく、席ぎゅう詰め。前売り客の後に当日券客を入れるんだけど、その手際があまりよろしくなくて、ちょっと押してたなー。別に芝居中しゃべる必要もないんだし二人客をどうしても並べて入れようとかして無理に詰めさせるのやめれ。
 しかも入り口近くに椅子3本(長椅子なので)分「関係者席」を取ってあって、まあほんとに関係者と遅刻者用でもあるんだろうけど、それがねー、普通の席はぎゅう詰め6人掛けで座らせる設定なのに、そっちはちょっとゆったり5人掛け設定にしてあるのどうよ。きちんと正価払ってチケット買った客より身内優遇なんだ( ´_ゝ`)フーン、と若干イラっとしたのはわりと内緒です。まあ小劇団なんてそんなもんか。
 しかし狭いだけあってステージ近ッ! 最前列なんか一歩足出したらステージですよ。まあその分前の人の頭の邪魔度も高いわけですが、とりあえず私が眺めたい人は眺めてられるポジションだったのでまあよしw
 しかも狭いからみんな生声。マイクなし。大声張り上げる必要のある芝居でもないので、ざらざらした割れ声もほとんど聞かないし、みなさんいいお声でした。

 そんなこんなで幕も開始ベルもないのでどやどやステージに出演者が入ってきてきたのが、オーディション会場の集合時間ですなわち舞台の開始。

 一幕物で、1時間40分だかそこら。オーディションの面接場面という設定なので、出演者はほぼ出ずっぱりの座りっぱなし。動きがあるのは面接される側の親役の人々とキャスティングディレクター役のお姉さんくらい。声とちょっとした仕草しかつかない芝居で1時間以上客を飽きさせないようにするのはたぶんなかなか大変なことかと思いますw;
 隣に座ってた兄さん30分くらいで寝てたしなw

 でも、なにもないからかえって何でもある、という、想像力を駆使しまくって脳内でいろんな映像を補完しつつお話を味わうのは楽しい経験でした。ストレスなくそうやって楽しめるのは役者の人がみんな上手いんだと思う。


 以下おもいっきりネタバレ感想。


 ストーリーは「ひみつのアッコちゃん」の実写映画を作成することになって、主人公役の女の子、12万人から絞られた5人の最終オーディションとして、親の面接をします、というところからスタート。
 審査するのは監督と脚本家、出資元のプロデューサー3名。Pの3人はそれぞれ背広姿の堅そうな人、ポロシャツに髭(だったかな。よく覚えてないがそんなイメージ)の現場系ぽい人、若いチャラっとした感じの人でそれぞれ、老舗映画会社系、TV制作系、レコード会社系、ということらしい。
 ちなみにこの若いPが小谷君で、おじさん二人と一緒で、ちょっと下っ端ポジションぽいキャラでしたw なんかセリフの端々から、Aベッックスの人で、従兄弟にIQの高い人がいて、今はマサチューセッツ工科大学で「プリンを崩さずに救う機械」の研究だかをしてるらしいw 映画の当たり外れの話で「レッドクリフには助けられましたよー」とかって台詞があって、ちょうどこないだ観たばっかりだったので吹いたw TVCMで「本当に大ヒット中」とかやってて笑ったよねあれw
 というか実在の会社の名前とかバンバン出てたけどいいのかこれw;

 んで、オーディションは一人ずつ親御さんがでてきて、5人のスタッフ側の人たちと語っていくわけで、子供の普段の様子、応募したきっかけ、もし受かったら、落ちたら、どんな風に言ってやるか、みたいな話をしていく。
 一人目はとっても庶民的なお母さん。テレビPがホームアローンの主演の子の栄光と凋落の話をして、「もし娘さんが受かったら一夜にしてスター、そして道を誤る可能性もありますが、大丈夫ですか?」ってな話をして、いや大丈夫です。みたいなお母さん。ぴんときてないなーって感じで「ある日突然2億、口座にぽんと振り込まれたらどうします?」って具体的数字を出してみるも、「家族のケータイお揃いにします」ではしゃぐお母さん。それをなま暖かい目で見る感じがなかなかギョーカイの人の感じ悪い雰囲気を醸しててよかったですw お母さん最後に言い残してったことは「今の子って、『お金って使ったらなくなる』って思ってるみたいですよ。バブルの頃なんかはお金は使ってもまた同じだけ入ってくるみたいに思ってましたけど、今の子は使ったらなくなる、次に入ってくるかはわからない、って思ってると思いますよ」
とちょっとスルドイこと言ったった、てな感じで去っていく。

 ちょっとインターバルで「あの子でいいですかねー」「いやまだまだ」みたいな話をして次。

 二人目のお母さんは大阪のおばちゃん的な賑やかなお母さん。劇団内ではよし子姐さん@新感線的なポジションの女優さんなのかな。カテコでのいじられ方がそんな感じだった。
 娘さんはロシアクォーターの美人さんという設定らしく、コニー君が「ちょー美人!」と身を乗り出してはしゃいでいたw 
 で、とても美人で顔見てるだけではにゃーんvてなっちゃうくらいの可愛い子だったから、小さい頃から周りから浮いてしまって、「みんなと違うことが求められる場所もあるのよ!」と芸能界入りして、今回、オーディションにも応募しましたという経緯。最初の賑やかテンションから一転して「この子に居場所をあげてください!」というお母さんの言葉に母の子供を守る決意が感じられてぐっときました。…美人も大変なのね。っていうか上手い人だね。

 そしてまた小休止。ここだったかな、ちょっとおやつ摘む感じで個包装のおせんべを手に取った小谷君、おせんべの袋がなかなか開かなくてひねくり回してたのがちょっと可愛かったw で、やっと開けたはいいけど、一口かじっただけであとおせんべには手を着けずw 水ばっかり飲んでたなーw

 一人終わるごとに「この子にしますか?」のプレッシャーが増していく監督。もう少し待ってください、と、いいながら3人目。

 3人目と4人目がイマイチ定かでない。たしかお父さんの方だったと思う。で、このお父さん役が日替わりゲストの人だそうで。
 今日のゲストは石部さんというお方。長い髪を後ろになでつけてぴょこんとポニーにしてスーツな辺り、とても自由業な感じしますが、なんというかご本人の雰囲気が妙に迫力があって、役の境遇の暗さと相まって、とてもカタギじゃない雰囲気がw;
 早くに離婚してコーヒーショップを経営しながら娘さんを育てたというお父さん、娘ちゃんはアッコちゃん大好きで、更に映画で新潟にいるお母さんに元気な姿を見せたい、ということで応募。でもお父さんはあまり乗り気じゃなさげ、監督はそこを掘り下げて色々きいていくわけだけど、まあお父さん的には娘が選ばれてデビューしたとき、世間の目にさらされてやっかみやら誹謗中傷やらで傷つくのが心配、そのお父さんに監督は「もし娘さんが落ちたらなんて言いますか? 逆恨みとかしますか?」と問いかける。もちろんそんなことはしない、と答えるお父さんに「他の人も同じですよ」と言う監督。少し心が軽くなったお父さんは娘をよろしくお願いします、と去っていく。

 四人目はちょっと変わり種のお母さん。「まず私のことをお話ししてもいいですか」とまずは自分が子供の頃、ミュージカルアニーにもの凄く憧れて、オーディション受けようとしたけど、いざ応募用紙取り寄せたら、裏面の経歴に「これまでの芸能活動・ダンス等の経験など」を書く欄があって、家が貧乏でダンスもなにも習えなかった自分はオーディションも受けられない、本当に貧乏な子は貧乏な孤児のアニーになれないんだ、って深く絶望してやがて母になったとき、子供が習い事したいと言えば全力でバックアップする母になりましたという話をする。
 で、別に強制した訳じゃないけど、子供が自発的に「みんなを幸せにするために私にできることはないかしら?」と言ったのをきっかけにそれじゃあって応募したといういきさつですと。
 余りにアニーを熱く語るお母さんに、Pの一人が「トゥモロー歌ってくれませんか」と振って、お母さん、ほんとに歌ってくれる。で、軽く舞台再現までしてくれて思わず北島マヤかwと心の中でつっこみを入れてしまいましたww
 で、歌が余りに堂に入ってるなーと思ったら、ほんとにアニー演じた子役さんだった人だそうで。なるほどー。
 このお母さんがでてった後、空気がすっかりアニーになってしまって、「今はひみつのあっこちゃんですから!」ってやってたのがちょっと笑えたw
 
 五人目はご両親。不思議と書いてハテナと読む女の子の親御さん。ちょっと控えめなお父さんと娘のことになると興奮しがちなお母さんのでこぼこコンビ(お父さんが凹)で会話の間合いが絶妙な感じでよかった。とても人望があって、だいたい幸運の波に乗ってるという娘さん、なんか出来すぎて色々信じられない感がすごいw 

 で、出揃ったところで、監督は悩みまくる。
 この5人でだめなら今度は中国韓国台湾まで手を広げて探しましょうかというキャスティングディレクターに、いや日本人でやるからそれはいい、といいつつ「でも選べないってことはこの子たちじゃないってことなんでしょう?」と言われ、P三人にも「決められないなら監督変えざるを得ません」まで言われ、おもむろに「ラストシーンで号泣するのは誰がいいかでずっと迷ってる」と告白する監督。
 P側に提出されたプロットは11本、しかしその中に「アッコちゃんがラストで号泣する」ものは無かった、どういうことだ、と激昂するPさんたち。今までオーディションも他のPに比べてどことなく他人事っぽくにこにこしてた伊藤P(コニー)まで豹変して声をあらげるのにちょっとびっくりした。

 そこで脚本家がおもむろに語り始める12本目のプロット。
 クラスでいつも一人ぽつんとしてる女の子と友達になりたくて、コンパクトの力で変身してその子に「友達になろ」っていって友達になる。
 でも嘘ついてるので設定にぼろが出てきたり色々苦しくなってきて、親の都合で海外に行くから、ということにしてさようならを言う。その時その子は「もう私には友達はいないわ」とか言われて、アッコちゃんは罪悪感で大泣きする。
 でも、翌日、その一人だった子が、アッコちゃんたちのところに仲間に入れてってやってきて、「友達っていいものだって教えてくれた人がいたの」。って言ってくれて、またアッコちゃん大号泣するっていう、そんな話。

 こうかくとあっさりだけど、実際舞台観てるときは脚本家役の人の語り口のうまさに引き込まれて脳内映画上映して、結構泣き入ってましたw; 思い出したらちょと目に水が。

 最初「騙された?」みたいにいきり立ってたPさんたちも聞き終わったら「それいいじゃない」「話はもうできてるんじゃない」と上機嫌で、で、主役は?ってところでサイレントモード発動w

 結局具体的に名前は出されないまま、でも監督は誰かを選んでいて、オーデ終了。みんな舞台上から去って、暗転。

 明るくなったときには、監督が一人、今回落選した子たちに宛てた手紙を朗読して終了。テクマクマヤコンの魔法で今回あなたがなるべきはアッコちゃんでは無かったけれど、必ずあなたがなるべきものがあります。いつか大きくなったあなたに会いたいです。とかいった感じ。

 まあ、推理物とかと違って候補5人あげて誰かを具体的に決めなきゃいけないってもんでもないし、実際に子役が出てくるわけでもないので、別にいいようなもんですが、分かりやすくひよったオチだなと思ったり思わなかったりw
 決断する者の責任とプレッシャーを監督役はこれまでの時間で延々表現してきたはずで、その残酷さとカタルシスを曖昧にぼかすことで口当たりはマイルドになったけれど、若干もやっとしないでもないw
 でもまあそのぶん、その後の5組の家庭の落選と当選の様子をあれこれ妄想したりするのはちょっと楽しかったからまあいいや。

 あともう一つ欲を言うなら、P3人のカラーをそれぞれもう少し会話の中で出せればよかったんじゃないかなあ。それぞれの見る基準が違って、密かな押し候補があったりなかったりとか。
 元は二人くらいに振られてた役を3人に何となく振り分けたのかなあって気配がちょっとした。

 まあ値段分は楽しめたと思いますw これで劇場がもう少し快適だったらもう一回くらい行ってもよかった…。

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 ストーリーは「ひみつのアッコちゃん」の実写映画を作成することになって、主人公役の女の子、12万人から絞られた5人の最終オーディションとして、親の面接をします、というところからスタート。
 審査するのは監督と脚本家、出資元のプロデューサー3名。Pの3人はそれぞれ背広姿の堅そうな人、ポロシャツに髭(だったかな。よく覚えてないがそんなイメージ)の現場系ぽい人、若いチャラっとした感じの人でそれぞれ、老舗映画会社系、TV制作系、レコード会社系、ということらしい。
 ちなみにこの若いPが小谷君で、おじさん二人と一緒で、ちょっと下っ端ポジションぽいキャラでしたw なんかセリフの端々から、Aベッックスの人で、従兄弟にIQの高い人がいて、今はマサチューセッツ工科大学で「プリンを崩さずに救う機械」の研究だかをしてるらしいw 映画の当たり外れの話で「レッドクリフには助けられましたよー」とかって台詞があって、ちょうどこないだ観たばっかりだったので吹いたw TVCMで「本当に大ヒット中」とかやってて笑ったよねあれw
 というか実在の会社の名前とかバンバン出てたけどいいのかこれw;

 んで、オーディションは一人ずつ親御さんがでてきて、5人のスタッフ側の人たちと語っていくわけで、子供の普段の様子、応募したきっかけ、もし受かったら、落ちたら、どんな風に言ってやるか、みたいな話をしていく。
 一人目はとっても庶民的なお母さん。テレビPがホームアローンの主演の子の栄光と凋落の話をして、「もし娘さんが受かったら一夜にしてスター、そして道を誤る可能性もありますが、大丈夫ですか?」ってな話をして、いや大丈夫です。みたいなお母さん。ぴんときてないなーって感じで「ある日突然2億、口座にぽんと振り込まれたらどうします?」って具体的数字を出してみるも、「家族のケータイお揃いにします」ではしゃぐお母さん。それをなま暖かい目で見る感じがなかなかギョーカイの人の感じ悪い雰囲気を醸しててよかったですw お母さん最後に言い残してったことは「今の子って、『お金って使ったらなくなる』って思ってるみたいですよ。バブルの頃なんかはお金は使ってもまた同じだけ入ってくるみたいに思ってましたけど、今の子は使ったらなくなる、次に入ってくるかはわからない、って思ってると思いますよ」
とちょっとスルドイこと言ったった、てな感じで去っていく。

 ちょっとインターバルで「あの子でいいですかねー」「いやまだまだ」みたいな話をして次。

 二人目のお母さんは大阪のおばちゃん的な賑やかなお母さん。劇団内ではよし子姐さん@新感線的なポジションの女優さんなのかな。カテコでのいじられ方がそんな感じだった。
 娘さんはロシアクォーターの美人さんという設定らしく、コニー君が「ちょー美人!」と身を乗り出してはしゃいでいたw 
 で、とても美人で顔見てるだけではにゃーんvてなっちゃうくらいの可愛い子だったから、小さい頃から周りから浮いてしまって、「みんなと違うことが求められる場所もあるのよ!」と芸能界入りして、今回、オーディションにも応募しましたという経緯。最初の賑やかテンションから一転して「この子に居場所をあげてください!」というお母さんの言葉に母の子供を守る決意が感じられてぐっときました。…美人も大変なのね。っていうか上手い人だね。

 そしてまた小休止。ここだったかな、ちょっとおやつ摘む感じで個包装のおせんべを手に取った小谷君、おせんべの袋がなかなか開かなくてひねくり回してたのがちょっと可愛かったw で、やっと開けたはいいけど、一口かじっただけであとおせんべには手を着けずw 水ばっかり飲んでたなーw

 一人終わるごとに「この子にしますか?」のプレッシャーが増していく監督。もう少し待ってください、と、いいながら3人目。

 3人目と4人目がイマイチ定かでない。たしかお父さんの方だったと思う。で、このお父さん役が日替わりゲストの人だそうで。
 今日のゲストは石部さんというお方。長い髪を後ろになでつけてぴょこんとポニーにしてスーツな辺り、とても自由業な感じしますが、なんというかご本人の雰囲気が妙に迫力があって、役の境遇の暗さと相まって、とてもカタギじゃない雰囲気がw;
 早くに離婚してコーヒーショップを経営しながら娘さんを育てたというお父さん、娘ちゃんはアッコちゃん大好きで、更に映画で新潟にいるお母さんに元気な姿を見せたい、ということで応募。でもお父さんはあまり乗り気じゃなさげ、監督はそこを掘り下げて色々きいていくわけだけど、まあお父さん的には娘が選ばれてデビューしたとき、世間の目にさらされてやっかみやら誹謗中傷やらで傷つくのが心配、そのお父さんに監督は「もし娘さんが落ちたらなんて言いますか? 逆恨みとかしますか?」と問いかける。もちろんそんなことはしない、と答えるお父さんに「他の人も同じですよ」と言う監督。少し心が軽くなったお父さんは娘をよろしくお願いします、と去っていく。

 四人目はちょっと変わり種のお母さん。「まず私のことをお話ししてもいいですか」とまずは自分が子供の頃、ミュージカルアニーにもの凄く憧れて、オーディション受けようとしたけど、いざ応募用紙取り寄せたら、裏面の経歴に「これまでの芸能活動・ダンス等の経験など」を書く欄があって、家が貧乏でダンスもなにも習えなかった自分はオーディションも受けられない、本当に貧乏な子は貧乏な孤児のアニーになれないんだ、って深く絶望してやがて母になったとき、子供が習い事したいと言えば全力でバックアップする母になりましたという話をする。
 で、別に強制した訳じゃないけど、子供が自発的に「みんなを幸せにするために私にできることはないかしら?」と言ったのをきっかけにそれじゃあって応募したといういきさつですと。
 余りにアニーを熱く語るお母さんに、Pの一人が「トゥモロー歌ってくれませんか」と振って、お母さん、ほんとに歌ってくれる。で、軽く舞台再現までしてくれて思わず北島マヤかwと心の中でつっこみを入れてしまいましたww
 で、歌が余りに堂に入ってるなーと思ったら、ほんとにアニー演じた子役さんだった人だそうで。なるほどー。
 このお母さんがでてった後、空気がすっかりアニーになってしまって、「今はひみつのあっこちゃんですから!」ってやってたのがちょっと笑えたw
 
 五人目はご両親。不思議と書いてハテナと読む女の子の親御さん。ちょっと控えめなお父さんと娘のことになると興奮しがちなお母さんのでこぼこコンビ(お父さんが凹)で会話の間合いが絶妙な感じでよかった。とても人望があって、だいたい幸運の波に乗ってるという娘さん、なんか出来すぎて色々信じられない感がすごいw 

 で、出揃ったところで、監督は悩みまくる。
 この5人でだめなら今度は中国韓国台湾まで手を広げて探しましょうかというキャスティングディレクターに、いや日本人でやるからそれはいい、といいつつ「でも選べないってことはこの子たちじゃないってことなんでしょう?」と言われ、P三人にも「決められないなら監督変えざるを得ません」まで言われ、おもむろに「ラストシーンで号泣するのは誰がいいかでずっと迷ってる」と告白する監督。
 P側に提出されたプロットは11本、しかしその中に「アッコちゃんがラストで号泣する」ものは無かった、どういうことだ、と激昂するPさんたち。今までオーディションも他のPに比べてどことなく他人事っぽくにこにこしてた伊藤P(コニー)まで豹変して声をあらげるのにちょっとびっくりした。

 そこで脚本家がおもむろに語り始める12本目のプロット。
 クラスでいつも一人ぽつんとしてる女の子と友達になりたくて、コンパクトの力で変身してその子に「友達になろ」っていって友達になる。
 でも嘘ついてるので設定にぼろが出てきたり色々苦しくなってきて、親の都合で海外に行くから、ということにしてさようならを言う。その時その子は「もう私には友達はいないわ」とか言われて、アッコちゃんは罪悪感で大泣きする。
 でも、翌日、その一人だった子が、アッコちゃんたちのところに仲間に入れてってやってきて、「友達っていいものだって教えてくれた人がいたの」。って言ってくれて、またアッコちゃん大号泣するっていう、そんな話。

 こうかくとあっさりだけど、実際舞台観てるときは脚本家役の人の語り口のうまさに引き込まれて脳内映画上映して、結構泣き入ってましたw; 思い出したらちょと目に水が。

 最初「騙された?」みたいにいきり立ってたPさんたちも聞き終わったら「それいいじゃない」「話はもうできてるんじゃない」と上機嫌で、で、主役は?ってところでサイレントモード発動w

 結局具体的に名前は出されないまま、でも監督は誰かを選んでいて、オーデ終了。みんな舞台上から去って、暗転。

 明るくなったときには、監督が一人、今回落選した子たちに宛てた手紙を朗読して終了。テクマクマヤコンの魔法で今回あなたがなるべきはアッコちゃんでは無かったけれど、必ずあなたがなるべきものがあります。いつか大きくなったあなたに会いたいです。とかいった感じ。

 まあ、推理物とかと違って候補5人あげて誰かを具体的に決めなきゃいけないってもんでもないし、実際に子役が出てくるわけでもないので、別にいいようなもんですが、分かりやすくひよったオチだなと思ったり思わなかったりw
 決断する者の責任とプレッシャーを監督役はこれまでの時間で延々表現してきたはずで、その残酷さとカタルシスを曖昧にぼかすことで口当たりはマイルドになったけれど、若干もやっとしないでもないw
 でもまあそのぶん、その後の5組の家庭の落選と当選の様子をあれこれ妄想したりするのはちょっと楽しかったからまあいいや。

 あともう一つ欲を言うなら、P3人のカラーをそれぞれもう少し会話の中で出せればよかったんじゃないかなあ。それぞれの見る基準が違って、密かな押し候補があったりなかったりとか。
 元は二人くらいに振られてた役を3人に何となく振り分けたのかなあって気配がちょっとした。

 まあ値段分は楽しめたと思いますw これで劇場がもう少し快適だったらもう一回くらい行ってもよかった…。

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