バーコード
立川遠いけど(片道二時間弱)暇だし始まるの午後3時だしいっかー。とかそんな感じで生信和君にがっつり釣られて行ってきました。お天気もそこそこでなによりでした。
行きがけ暇なのでなんとなく映画館のサイトのぞいて該当回の空席状況見てみたら、この時点で「余裕あり」。…ほんと大丈夫か(;´Д`) 77席のスクリーンで前のほう2~30人くらいしかいなかったら、女優さんも悲しいよな。
そんなこんなで立川着。長丁場に備えて軽く腹ごしらえするかと思って駅ビルに入ったら長野のいろは堂が出ていたので思わずおやきを買う。ここのおやき好き~♪ 長野物産でもないとお目にかかれず、うまいこと来てても大体行列なので、なんかさくっと買えることに驚き。いいなー。催事じゃなくて常時出てるのかな。…ちょっと立川に住みたいw
ほくほくしながら映画館着。Web予約のチケットは2階の発券機で出力して、スクリーンのある8Fへ。
…半分くらいは埋まってるかな。
前の方の女性客は明らかに信和君目当てだろうけれど、寺島咲さん目当てとおぼしき男性客もちらほら。人事だけど良かったねと思ってしまいました。両者のファン兼任で信和君いなくても来ただろう女性客も、どっちもどうでもいい高橋ファンや監督ファンもいないとは思わないけど、そういう人が半分いたとしても座席寂しいことになるもんね…。
スケジュールは
・「私の叔父さん」上映
・休憩(約20分)
・トークショー
・「ハードライフ」上映
という流れ。
そんなこんなでまずは「私の叔父さん」上映。
感想に関しては色々言いたいこともあるが多分あんまり需要ないだろうから後回しw
映画終了後、休憩時間が半ば過ぎたあたりで、「花束とかお持ちの方はトークショー終了後に直接お手渡ししていただけます。事務所の方から許可いただきましたので」との電撃発言。なにー?! そういうことはもっと早く言ってよバカー! ダッシュで隣の高島屋行って花束作って戻ってきてたらトークショー始まっちゃうだろー!! もしかしてロビーで花束売ってますとかそういうことかと思ったけどそんなことはなかったなw あったら多少ぼったくりでも買ったかもしれんのにw(駄目な大人)
隣の席の見知らぬお姉さんとひとしきり文句を言いつつ、まあいいやで開始待ち。
トークショー
ゲストは両映画のプロデューサーの方と、寺島さんと、信和君。あと前には出てらっしゃらなかったけど、「ハードライフ」の原作の方もいらしてたそうです。
司会は最初映画館の方?が担当だったのだけど、ゲスト全員入場したら、信和君はラジオのDJもやってらっしゃいますし、ってことで信和君にバトンタッチ。ですよね。じゃないと喋るところないもんね。
信和君の出で立ちは無地の白長袖Tシャツにオレンジベースの斑染めっぽい柄の入ったストールに白地に緑のギンガムチェックのパンツ。…寝間着?と一瞬思ったのは割と内緒w
とりあえず自己紹介から。この場にいて違和感のないお二人は名前言って「今日はよろしくお願いします」くらいの簡単な挨拶でしたが、ちょっと「何故?」感のある信和君はまずそこら辺の説明から入るw
「僕と咲ちゃんは同じ事務所の先輩後輩で、でもこうやって公の場で一緒に喋るってなかったので、ちょっと緊張してます」と全然緊張感なく言う信和君w
「最近咲ちゃんがお酒飲めるようになって、お酒の席で会うことが多くて、咲ちゃん実は酒豪なんです」とかお酒話を振る信和君。「最近日本酒飲むようになったんです」という咲ちゃんに「ほんと? 僕は未だにおいしさがわかんないけどね」と信和君。…吟醸とか大吟醸とかの高い奴幾つか飲み比べてみるといいよwとのんべなファンは思ってみたり。
で、「ビールとかも飲む?」「飲みますよ」のやりとりの後に、「ビールと言えば僕、この映画の好きなシーンが幾つかあって、その中の一つが、主人公と咲ちゃんがビール飲むシーンで」とおもむろに映画を語り出すあたり、堂に入ってますね(*´∀`)
んで、そのシーン、咲ちゃんが鼻の下にビールの泡で髭状態になるんだけど、あの髭は実はメレンゲをそれっぽくメイクさんが乗せてくれるんですよーという裏話をちらり。映画とかだと一つのカットでも時間かかっちゃうんで本物の泡だと消えちゃうんだそうで。
・寺島さんの髪型の話
寺島さんというともう長いこと背中まである黒髪の360度ワンレンスタイルがトレードマークになってたのが、今回のトークショーでは色も軽くして前髪も作っていて、信和君は事務所から映画館に出発してくるとき一瞬誰だろうと思って二度見したとかw そんで「女性が10代から20代になって変わっていくのを、後輩なんだけど、こうなんか親心のような気持ちで見てしまいます」とか。そしたらいままで二人のやりとりを黙ってみていたPさんが「次のお仕事の都合じゃないの?」と鋭いツッコミw それもあるし、事務所の方針として、そろそろイメチェンしようというのもあったそうです。寺島さん、前髪作るの小学生以来だとか。
・映画で印象に残ったシーンの話
主に信和君が「このシーンはこんなこと思いました」みたいなことを語って、「で、咲ちゃんこのときはどんなでした?」みたいに振る進行。語りがメインで質問がおまけのようだったのはまあご愛敬(^^; ほんと映画の話になると語るよねw …でなくてもよー喋る人だけどw
1)主人公と姪っ子ちゃんのところにホステスさんが訪ねてきたところで、見ててすごいぴりぴり感を感じた。軽く修羅場みたいな感じかとおもったら咲ちゃん(の役)綺麗にメイクしてもらったりして和やかっぽいけど、実は内心めっちゃ怒ってるんじゃないの? と思うのは僕が男だから? と演じてた寺島さんの気持ちとしてはどんなでした? と話を振る信和君。
寺島さん答えていうには「ちょうど撮影も進んだところで、あの部屋は『おにいちゃんと自分だけの守りたい空間』ていう感じの認識ができてきたところに、女の人が入ってくるっているシーンで、かなり感情移入して演じてました」とのこと。
「だよね、奥からでてきたとき、めっちゃ怖かった」と「それで咲ちゃんもこういう緊迫感のある芝居ができるようになったんだなと…何様だ自分はw」とセルフツッコミで笑いを誘う信和君でした。
2)ラスト近く、姪っ子ちゃんの旦那(カメラが趣味)が主人公に姪っ子ちゃんを撮ったアルバムを見せるシーン(旦那の写真を見て、主人公は「いい写真です」「僕の知らないユキコ(姪っ子)がいます」。旦那はそれ聞いてちょっとほっとして、主人公と娘の結婚を許す、とかそんなシーン)。
お互いが大切な人を守りたい、咲ちゃん演じたユキコをほんとに好きだったって気持ちがみしみし伝わってきて、ほんとにいいシーンだなと思います。感動しました、と語る信和君。
で、咲ちゃんどうですか? という質問に「自分はいないシーンなんですけど、いないところでも、ああやって二人の男性に思われてるのがわかるシーンで、女として嬉しいっていうか、ユキコって幸せだったんだなーと思います」と。
「この映画って男性女性で結構意見別れそう、自分は男だから、最後主人公がユキコの娘と結婚するとかいう話、心情としてはわからなくもないと思っちゃうけど、周りの女性スタッフには『そんなのないでしょう~』って言われた」という信和君。で、咲ちゃんは台本読んだときどうでした? っていう質問には「台本の前に原作読んだんですが、原作者の連城さんも男性なので、すごく男性目線の作品なんだなと思ったんですが、撮影していくにつれて役の中に入り込んで日常でも抜けなくなるくらいだったので、女性の視点ていうのもあったんじゃないかなと思います」
・ハードライフの話
「私の叔父さん」のユキコは咲ちゃんに良く合ってたと思うんですが、そこからの「ハードライフ」ってスゴくないですかw 咲ちゃんもスエコという役を演じつつ寺島咲らしさを喪わない演技をしていて、それを見込んでキャスティングしたプロデューサーさんすごいですよね、と話をPさんに振る信和君。
ラジオとか聞いてても時々思うけど、信和君のヨイショは聞いてる方の耳が浮きそうになるなw;
Pさんと寺島さんが仕事をするのは「私の~」が3本目。寺島さんはとても透明なので、何をやらせてもぴったりハマる。「私の~」は監督も男性で、高橋さんで撮りたいって強い希望だったので、咲ちゃんみたいな女優さんじゃないと100%男性目線の作品になってしまう、ということでのキャスティングでした、とかそんな話。
その後のPさんの「ハードライフの信和君もよかったけど」と言うところからちょっと「ハード~」の撮影時の話。
「咲ちゃんの彼氏役で、高校生やらせてもらいましたw」と自己紹介。
Pさんによると、寺島さんは「役が憑依するような感じ、信和君はまったく真逆な感じで、そのままやって、みたいな」
そういわれた信和君は「そのままやって、って言われて、やれるわけがねえ、不良の男の子なんて」「僕イイコなんで(笑)」とのことで。
ヤンキー役については、形から作っていく感じだったようで。
「でも台本読んでイメージで作り込んでいったんですが、撮影初日が(スエコと)初対面のシーンで、最初、すごい上から目線で見る感じだったんですが。そしたら、ということで当時の監督と信和君の様子再現。
監『もう少し顎あげろ』
信『はい』(上げる)、
監『顎だして、しゃくれてー』
信『は、はい』(頑張ってしゃくれる)、
監『眉間にしわ寄せてー』
信『(しわ?)』(なんとなくしわ)、
なんて感じで細かく形を付けていった末の初台詞「ヨロシク」だったんですよw と、信和君実演付きで語ってくれましたw
それと、富士額ネタw
「普段前髪おろしてるんですけど、実は天下一品の富士額の持ち主でw あっぱれ、と自分で言いたくなるくらいなんですけど。この役では前髪あげてばっちり写ってるんでそこも見所ですw」だそうですw
Pさんには「普段信和君まじめな優等生の役多いじゃない。でもこういうバカなチンピラとかもぴったりだよね! ああいう路線いった方がいいよ!」と言われていましたw …そうですね、最近もありましたねw 某大内先輩とかねww
Pさんは男士の件を踏まえているのかいないのかは謎ですが、知らなくて言ってたんならちょっとすごいなーと思ったり。どうだろね。
こう言われてさすがの信和君も返す言葉に困ったのかひたすら笑ってましたw;
レディース役の役作りについて。
最初は遠い世界の話で、自分にできるのかなって不安だったんですけど、最初の喧嘩のシーン、アクションの時とかに原作者の方にいろいろ指導してもらいました。とのことで。
「ヨロシク」の言い方も、寺崎さんのイメージだと「ヨロシクゥ!」って上げてく感じかと思っていたら、本物はまたちょっと違ったりしていたらしいです。
そんなこんなで締めのお時間。
「ハードライフが、またこういう形で上映されて嬉しいです。一度は見た方が多いんじゃないかと思いますが、こういう話をした後ですんで、また、ちょっと新鮮な目で見ていただけるんじゃないかと思います。二度目の人も三度目の人も、一度目の人もいるかもしれませんが、楽しんでください」と信和君。
「『私の叔父さん』で、それまで人を好きになるってそんなに深く考えたことなかったんですけど、叶わぬ思いとか、人を想う気持ちって楽しかったり切なかったり色々あるので、皆さんにも見て、色々考えるきっかけにでもなってもらえるといいです。
『ハードライフ』は私も色々挑戦してるので、その辺を楽しんでいただけると嬉しいです。また、作品も、人生辛いことがあっても、やり直せるんだって気持ちになるすてきな作品ですので、楽しんでください」と寺島さん。
ご挨拶はだいたいこんな感じ。
どうでもいいけど、最初のほう、寺島さんが話してる間中、謎のノイズ?が入っていて、寺島さんの話に相づち打ちながらもマイクをしきりに気にしてひねくりまわしてて、しばらくして寺島さんの息が当たってる音(ハンドマイクで喋るのなれてないのか、マイクの位置が近い)だ、と気がついてあとすっきりしたカオしてた信和君かわいかったですw
そこで一応お花渡す人は渡して、トークショー終了。ここで帰ろうかとも思ったんですが、左右の人たち普通に座ってるので、おとなしくそのまま見てきましたw; まあこっちの方には信和君出てるし見てない作品だし(酷い)。
一応映画の方の感想。どっちも個人的に好みじゃなかったので長かったな…。以下長文ですが殆ど誉めてませんw;
・「私の叔父さん」
原作未読&原作者の他作品も読んだことないです。純粋に映画見てだけの感想です。
終わってまず思ったのは「これなんてエロゲ?」。いや具体的な濡れ場はないからエロゲというと語弊があるかもしれないが、ギャルゲというにはちょっと生臭いし重いのでエロゲのエロなしバッドルート的なと言う方がいいのかなあ…ってそれはいいとして。
主人公は九州から上京してカメラマン見習いをしてて、金ない、だらしない、モテないのどっちかというと甲斐性なしキャラ。そこへ「年が近くて兄妹同様に育った」姪っ子が押し掛け女房さながらに世話焼いてくれて、主人公されるがまま。まず中の人の実年齢的に絵面に無理を感じるが、そこは映画だからととりあえずおいておく。しばらく一緒に過ごして、姪っ子は主人公を好きだった、愛してる、抱いてくれと迫るが主人公はさすがに拒否。翌日、家に帰るときに、実は結婚が決まってると告白する姪っ子。
で、無事に姪っ子は別の男と結婚し、子供も産まれて幸せになったかと思いきや、交通事故で死んでしまう。
それから約20年、姪っ子の娘が大きくなって、「自分は主人公に抱かれた、妊娠してる!」「主人公は母親(姪っ子)が好きだったから代わりにしたんだ!」と言いだす。実はよその男と不倫してできた子供らしいんだけど、なんでそんなことを言い出すかというと、自分も主人公が好き、でも自分の父親じゃないかと疑っていたらしい。結局、その娘っこの狂言に乗って「責任とって結婚します」となり、姪っ子の墓前に手を合わせに行くところで終了。
ざっとこんな話。
とにかく違和感なのは女性キャラがことごとく主人公に都合がいいこと。原作は男性作家だろうから仕方ないんだろうけど。
・主人公姉(=姪っ子の母親)はやたらと主人公に理解あって、姪っ子がいくら親戚とはいえそれなりの年の一人暮らしの男の家に一ヶ月とか住み込むのをあっさり許す。
孫(=姪っ子の娘)が「叔父さんの子供」とか言い出したときも「嘘だと思ってた」「法律的に問題はないから本当に愛し合ってるなら許す」とか言う始末。いやーいくら福岡が都会だとはいえこの年代にしては理解ありすぎじゃね? さすがにもっと保守的なもんなんじゃね?
・姪っ子 とにかく主人公に初手から好感度MAX。しかも呼び方が「お兄ちゃん」。飲んできて遅くなったのを晩ご飯作って自分も食べずにずっと待ってましたの健気描写とか、主人公が落ち込んでるときは根拠レスでも「お兄ちゃんはいいカメラマンになるよ」と笑顔で肯定。別の女の出入りの痕跡(主人公はスナックのホステスさんと緩く付き合ってる)を見つけてもチクチク責めたりせず軽く焼き餅を胸に秘め、当の彼女が押し掛けてきても笑顔で応対し、二人きりの時に拗ねてみせる。
それから朝からピンクの下着を目の前の堂々と干したり、風呂上がりにダボシャツ+生足でうろうろしたり、自転車に二人乗りして上半身べったり密着したりと微エロの誘惑も欠かさない。あげくの果てに「お風呂入ったし、下着きれいだから…いいよ」とか言っちゃう。
いやこいつ気持ち悪いだろ、と思ってしまうのは私が恋愛体質じゃないからか? それだけか?
一応「叔父と姪の禁断ゆえの切ない愛」とか「純愛」が売り文句だったような気がするけど、どこがやねん、と思ってしまったり。寝てなければ純愛なのか。それちょっと違うだろ。
なにがネックなのかというと、姪っ子ちゃんがなんで主人公のことそんなに好きなのかぜんぜんわからないこと。「小さい頃ずっと一緒だった」から。で具体的なエピソードとかは特に語られない。
主人公視点の物語で、こっちは特に恋に落ちてなかったから仕方ないとしても、主人公の感情の動きも特に語られないし、どっちにも全然感情移入できないんだよなあ。
で、クライマックスが「…いいよ」だと「純愛とかいって結局性欲かよ!」と思うわけですね。ううんエロゲの世界(ーー;)
でもその後、主人公に拒否られて破れかぶれでなきながら「二人きりで逃げようよ! 世間の目とかどうでもいいよ!」と訴えるヒロインは哀れで可愛らしかったです。ここだけ見れば。悲恋物に期待する切なさをやっとここで少し感じたよ。少しだけだけど。
誤解のないように言っておくけど、べつに女優さんが気持ち悪い訳じゃなくて、役とその描写が気持ち悪いという話なのであしからず。
・スナックのホステス
主人公が師事してるカメラマン先生の行きつけのスナックのホステスは主人公と一応大人のおつきあいの相手。いちおう彼女的には主人公にマジ惚れしてるらしいのだが、主人公が写真のなんか有名な賞を取ったと聞いたらそっと身を引いてしまう。
「アタシみたいな水商売の女が側にいたらあの人の為にならないわ」みたいな感じですかねー。けなげ。そして主人公は引き留めも追いかけもしない。
ちなみに彼女のそのシーンの前の出番が、姪っ子ちゃんが「結婚するんだ」つって別れていった後、主人公の家を訪ねてきて、主人公が千々に乱れた心と体を鎮めるために心おきなく押し倒す、というシーンだったので、なんだよヤリ捨てかよ、主人公はなんてクズ野郎だろうと思ったり。
それでその後何年かしてしれっと嫁になってましたとかならまだよかったけど、あくまでこの作品のヒロインは姪っ子ちゃんなので、そんんことはないわけで。主人公は姪っ子に操立てするかのように独身を通している訳ですな。
・姪っ子の娘
冒頭、主人公の家に泊まり込みにきてるところから話が始まってて、この子が禁断の姪っ子かと思ったら違ったw;
「お母さんは叔父さんを愛してたんだよ!」と主張し、主人公が撮った姪っ子の最後の5枚の写真の秘密を父親と主人公に謎解きして見せて、お腹によその男の子供を身ごもって主人公の元に嫁ぐという役どころ。
この子が実は一番よくわからない。主人公に懐いてるだけなら「親戚だから」でいいかもしれないけど、結婚までしようと思うに至る過程が全くわからん上に演技が棒なのでなおのことよくわからない。彼女の妊娠しでどうこうっていうのはまるっきり蛇足だったんじゃないかと感じてしまう。
で、それがなんか死んだ母親の身代わりみたいな感じで主人公と結ばれる(たぶん)ってわけだからまたものすごいご都合主義の臭いを感じてげんなりする。一応、姪っ子が主人公にお金借りにきて、「借金のカタに娘置いてこうか?」っていうシーンがあって、「あん時の言葉通りになったな」みたいな回収があるんだけど、これがとても浮いてるっていうか無理矢理な感じなんだよな…。
…どれか一人か二人だったらそんなに気にならなかったと思うんだけど、出てくる女キャラことごとくこんなんじゃさすがに「ないわ」と思わざるを得ないw; その嘘に共感してだまされたくなるほど主人公に魅力を感じないし(中の人はいい男だけど、役のアレ加減を凌駕するほどではない)。
そんなわけでなんだか疲れただけの映画でした。
でもさー、なんか切ない恋の物語、みたいに売ってる割には結構オチとかえぐいというか軽くホラーだと思うんだけどな。死んだ姪っ子の恋をその娘が成就させるというのもなんかドロっとした女の情念感じるし(死んだ姪っ子の怨念憑いてる?みたいな)、不倫した挙げ句の子供お腹に抱えて主人公の元に嫁ぐっていうのもかつて姪っ子の旦那が抱えたであろう鬱屈(娘は自分の娘じゃないんじゃないか?)っていうのの意趣返しに見えるんですけどー。娘さん実はお母さん(姪っ子)が亡くなった後、お父さんとギクシャクして辛くて、その復讐というかそんな感じで主人公に結婚しろとか迫ったのだったら納得いくなあとかまで思ったり。娘ちゃんの「おじさんならこういう愛の形もあるってわかってくれると思ったの」っていうのは「あんただって私の母親と不倫してた同じ穴の狢なんだから偉そうなこといえた義理じゃないだろ」ってことだよね(まあそれは娘ちゃんの思いこみなのだけど)。
なんかぱっと見は「若気の至りの過ちをおかした可哀想な子を丸ごと受け止めちゃう主人公かっこいい!」みたいな風に描かれているけど。
とりあえず、寺島咲がだめんずに一途に恋した健気可愛い妹キャラを演じるのを楽しむというスタンスオンリーで楽しむことをおすすめする。つーか監督の人もむしろ「妹キャラと禁断の恋萌えー!」がメインテーマだったのではなかろうかw それ以外のところを深く考えてはいけない作品だとおもいました。まる。
「ハードライフ」
こっちも原作未読。
昭和の不良少女更正もので、父母不仲な家庭の4姉妹の末っ子で家庭内で寂しい思いをしていた主人公は、ある日化粧品を万引きしようとして、別の不良さんに声を掛けられたのがきっかけで、地元の不良仲間とつるむようになり、レディースチームに入って頭角を現し、総長になる。雑誌とかにも出ちゃってアイドルみたいな存在になっていくが、別グループとの抗争で傷害罪で女子少年院送りになり、出てきたときにはレディースの仲間たちにはそっぽを向かれ、チームを追い出される。
で、昔の仲間と何となくつるんで覚醒剤に手を出し、もう死ぬのかなと思ったけど、またしても警察に保護され、お母さんと話し合うことで、も一回人生やり直してみようと思う。
だいたいそんな話。
…最初にお断りしておきますが私はこの手の「親に愛されなくて寂しいからグレました」系は「甘えんなボケ」と思って全否定になってしまって結構だめっすw; なのでどうしても「ふーん」みたいな目で見てしまうので、感想らしい感想はあまりないですw;
ヤンキーっていうよりは今となっては死語の「不良」と呼びたい感じ。ただ背景も女の子のメイクも平成風なのに、胸にサラシ巻いて特攻服とかの絵面が昭和のセンスなのでなんか違和感。車○正美のマンガの背景が妙にこぎれいになってるみたいな。
信和君の役は主人公の彼氏で、実は社長令息だけど、バイク盗んで違法なバイク売ってる店に売り飛ばしたり、トルエン吸ってラリったり、そのあげく主人公の友達と寝たり、結構しょうもないおつむの軽い不良少年。最初は主人公に「将来何になるの?」って聞かれて「おやじの会社継ぐかな」とか言ってたのに、主人公がレディースの総長になって名前売れてきたりすると「負けてらんねえ」とかって対抗意識を燃やしてヤクザ屋さんになったりする。
で、ヤクの売人やってて中毒になりかかった主人公と再会したり、そのあと所属の組の抗争で撃たれて死んでしまうという、いろんな意味でお気の毒な役回り。でもいろいろ足りない割に主人公のこと本気で好きだったんだよなーと思えるところもあってちょっと泣ける。
見所wのオデコは確かにきれいな富士額。富士額って言うか天然剃り込み状態って言うかw; 富士額のほかに半裸もあるよw 肌きれいでいいなー。
それから初対面のシーンはトーク思い出して笑いそうになって困ったですw
不良さんの世界は私の知らない世界なので興味深く見ましたが、高校生くらいで公園で集会とか、主人公のうちに集まってメイクの研究とかきゃっきゃしてるトコは可愛いし、子供子供した感じが見えるのに、木刀もって殴りあいとか、リンチとか薬だシンナーだってやってることのギャップが恐ろしいなーと良い年した身としては思うわけです。
ストーリーとしてはありがちなので、ジャンル愛好家か役者ファンにしかおすすめはしかねる感じですが、ノンフィクションて思うとちょっとスゴいよね…。
どうでもいいけど、主人公の母親が働いてるスナックのおねーさんが着てたワンピースが「私の叔父さん」のホステスさんが着てたワンピースだったような。二作の間の年月ってどのくらいだっけ。物持ちいいのかお気に入りなのかw
終了後、ロビーで原作者サイン入り原作本とかパンフとか売ってたらしいですが、スルーして帰ってきてしまいました。帰り道遠いからね! でもパンフくらいは見てくれば良かったなーと思ったり。
まあここのところ自分のチョイスではスルーする映画を見てて脳内に刺激があるのがおもしろいですw
でもどうせなら普通におもしろい映画にも出てください信和君w
行きがけ暇なのでなんとなく映画館のサイトのぞいて該当回の空席状況見てみたら、この時点で「余裕あり」。…ほんと大丈夫か(;´Д`) 77席のスクリーンで前のほう2~30人くらいしかいなかったら、女優さんも悲しいよな。
そんなこんなで立川着。長丁場に備えて軽く腹ごしらえするかと思って駅ビルに入ったら長野のいろは堂が出ていたので思わずおやきを買う。ここのおやき好き~♪ 長野物産でもないとお目にかかれず、うまいこと来てても大体行列なので、なんかさくっと買えることに驚き。いいなー。催事じゃなくて常時出てるのかな。…ちょっと立川に住みたいw
ほくほくしながら映画館着。Web予約のチケットは2階の発券機で出力して、スクリーンのある8Fへ。
…半分くらいは埋まってるかな。
前の方の女性客は明らかに信和君目当てだろうけれど、寺島咲さん目当てとおぼしき男性客もちらほら。人事だけど良かったねと思ってしまいました。両者のファン兼任で信和君いなくても来ただろう女性客も、どっちもどうでもいい高橋ファンや監督ファンもいないとは思わないけど、そういう人が半分いたとしても座席寂しいことになるもんね…。
スケジュールは
・「私の叔父さん」上映
・休憩(約20分)
・トークショー
・「ハードライフ」上映
という流れ。
そんなこんなでまずは「私の叔父さん」上映。
感想に関しては色々言いたいこともあるが多分あんまり需要ないだろうから後回しw
映画終了後、休憩時間が半ば過ぎたあたりで、「花束とかお持ちの方はトークショー終了後に直接お手渡ししていただけます。事務所の方から許可いただきましたので」との電撃発言。なにー?! そういうことはもっと早く言ってよバカー! ダッシュで隣の高島屋行って花束作って戻ってきてたらトークショー始まっちゃうだろー!! もしかしてロビーで花束売ってますとかそういうことかと思ったけどそんなことはなかったなw あったら多少ぼったくりでも買ったかもしれんのにw(駄目な大人)
隣の席の見知らぬお姉さんとひとしきり文句を言いつつ、まあいいやで開始待ち。
トークショー
ゲストは両映画のプロデューサーの方と、寺島さんと、信和君。あと前には出てらっしゃらなかったけど、「ハードライフ」の原作の方もいらしてたそうです。
司会は最初映画館の方?が担当だったのだけど、ゲスト全員入場したら、信和君はラジオのDJもやってらっしゃいますし、ってことで信和君にバトンタッチ。ですよね。じゃないと喋るところないもんね。
信和君の出で立ちは無地の白長袖Tシャツにオレンジベースの斑染めっぽい柄の入ったストールに白地に緑のギンガムチェックのパンツ。…寝間着?と一瞬思ったのは割と内緒w
とりあえず自己紹介から。この場にいて違和感のないお二人は名前言って「今日はよろしくお願いします」くらいの簡単な挨拶でしたが、ちょっと「何故?」感のある信和君はまずそこら辺の説明から入るw
「僕と咲ちゃんは同じ事務所の先輩後輩で、でもこうやって公の場で一緒に喋るってなかったので、ちょっと緊張してます」と全然緊張感なく言う信和君w
「最近咲ちゃんがお酒飲めるようになって、お酒の席で会うことが多くて、咲ちゃん実は酒豪なんです」とかお酒話を振る信和君。「最近日本酒飲むようになったんです」という咲ちゃんに「ほんと? 僕は未だにおいしさがわかんないけどね」と信和君。…吟醸とか大吟醸とかの高い奴幾つか飲み比べてみるといいよwとのんべなファンは思ってみたり。
で、「ビールとかも飲む?」「飲みますよ」のやりとりの後に、「ビールと言えば僕、この映画の好きなシーンが幾つかあって、その中の一つが、主人公と咲ちゃんがビール飲むシーンで」とおもむろに映画を語り出すあたり、堂に入ってますね(*´∀`)
んで、そのシーン、咲ちゃんが鼻の下にビールの泡で髭状態になるんだけど、あの髭は実はメレンゲをそれっぽくメイクさんが乗せてくれるんですよーという裏話をちらり。映画とかだと一つのカットでも時間かかっちゃうんで本物の泡だと消えちゃうんだそうで。
・寺島さんの髪型の話
寺島さんというともう長いこと背中まである黒髪の360度ワンレンスタイルがトレードマークになってたのが、今回のトークショーでは色も軽くして前髪も作っていて、信和君は事務所から映画館に出発してくるとき一瞬誰だろうと思って二度見したとかw そんで「女性が10代から20代になって変わっていくのを、後輩なんだけど、こうなんか親心のような気持ちで見てしまいます」とか。そしたらいままで二人のやりとりを黙ってみていたPさんが「次のお仕事の都合じゃないの?」と鋭いツッコミw それもあるし、事務所の方針として、そろそろイメチェンしようというのもあったそうです。寺島さん、前髪作るの小学生以来だとか。
・映画で印象に残ったシーンの話
主に信和君が「このシーンはこんなこと思いました」みたいなことを語って、「で、咲ちゃんこのときはどんなでした?」みたいに振る進行。語りがメインで質問がおまけのようだったのはまあご愛敬(^^; ほんと映画の話になると語るよねw …でなくてもよー喋る人だけどw
1)主人公と姪っ子ちゃんのところにホステスさんが訪ねてきたところで、見ててすごいぴりぴり感を感じた。軽く修羅場みたいな感じかとおもったら咲ちゃん(の役)綺麗にメイクしてもらったりして和やかっぽいけど、実は内心めっちゃ怒ってるんじゃないの? と思うのは僕が男だから? と演じてた寺島さんの気持ちとしてはどんなでした? と話を振る信和君。
寺島さん答えていうには「ちょうど撮影も進んだところで、あの部屋は『おにいちゃんと自分だけの守りたい空間』ていう感じの認識ができてきたところに、女の人が入ってくるっているシーンで、かなり感情移入して演じてました」とのこと。
「だよね、奥からでてきたとき、めっちゃ怖かった」と「それで咲ちゃんもこういう緊迫感のある芝居ができるようになったんだなと…何様だ自分はw」とセルフツッコミで笑いを誘う信和君でした。
2)ラスト近く、姪っ子ちゃんの旦那(カメラが趣味)が主人公に姪っ子ちゃんを撮ったアルバムを見せるシーン(旦那の写真を見て、主人公は「いい写真です」「僕の知らないユキコ(姪っ子)がいます」。旦那はそれ聞いてちょっとほっとして、主人公と娘の結婚を許す、とかそんなシーン)。
お互いが大切な人を守りたい、咲ちゃん演じたユキコをほんとに好きだったって気持ちがみしみし伝わってきて、ほんとにいいシーンだなと思います。感動しました、と語る信和君。
で、咲ちゃんどうですか? という質問に「自分はいないシーンなんですけど、いないところでも、ああやって二人の男性に思われてるのがわかるシーンで、女として嬉しいっていうか、ユキコって幸せだったんだなーと思います」と。
「この映画って男性女性で結構意見別れそう、自分は男だから、最後主人公がユキコの娘と結婚するとかいう話、心情としてはわからなくもないと思っちゃうけど、周りの女性スタッフには『そんなのないでしょう~』って言われた」という信和君。で、咲ちゃんは台本読んだときどうでした? っていう質問には「台本の前に原作読んだんですが、原作者の連城さんも男性なので、すごく男性目線の作品なんだなと思ったんですが、撮影していくにつれて役の中に入り込んで日常でも抜けなくなるくらいだったので、女性の視点ていうのもあったんじゃないかなと思います」
・ハードライフの話
「私の叔父さん」のユキコは咲ちゃんに良く合ってたと思うんですが、そこからの「ハードライフ」ってスゴくないですかw 咲ちゃんもスエコという役を演じつつ寺島咲らしさを喪わない演技をしていて、それを見込んでキャスティングしたプロデューサーさんすごいですよね、と話をPさんに振る信和君。
ラジオとか聞いてても時々思うけど、信和君のヨイショは聞いてる方の耳が浮きそうになるなw;
Pさんと寺島さんが仕事をするのは「私の~」が3本目。寺島さんはとても透明なので、何をやらせてもぴったりハマる。「私の~」は監督も男性で、高橋さんで撮りたいって強い希望だったので、咲ちゃんみたいな女優さんじゃないと100%男性目線の作品になってしまう、ということでのキャスティングでした、とかそんな話。
その後のPさんの「ハードライフの信和君もよかったけど」と言うところからちょっと「ハード~」の撮影時の話。
「咲ちゃんの彼氏役で、高校生やらせてもらいましたw」と自己紹介。
Pさんによると、寺島さんは「役が憑依するような感じ、信和君はまったく真逆な感じで、そのままやって、みたいな」
そういわれた信和君は「そのままやって、って言われて、やれるわけがねえ、不良の男の子なんて」「僕イイコなんで(笑)」とのことで。
ヤンキー役については、形から作っていく感じだったようで。
「でも台本読んでイメージで作り込んでいったんですが、撮影初日が(スエコと)初対面のシーンで、最初、すごい上から目線で見る感じだったんですが。そしたら、ということで当時の監督と信和君の様子再現。
監『もう少し顎あげろ』
信『はい』(上げる)、
監『顎だして、しゃくれてー』
信『は、はい』(頑張ってしゃくれる)、
監『眉間にしわ寄せてー』
信『(しわ?)』(なんとなくしわ)、
なんて感じで細かく形を付けていった末の初台詞「ヨロシク」だったんですよw と、信和君実演付きで語ってくれましたw
それと、富士額ネタw
「普段前髪おろしてるんですけど、実は天下一品の富士額の持ち主でw あっぱれ、と自分で言いたくなるくらいなんですけど。この役では前髪あげてばっちり写ってるんでそこも見所ですw」だそうですw
Pさんには「普段信和君まじめな優等生の役多いじゃない。でもこういうバカなチンピラとかもぴったりだよね! ああいう路線いった方がいいよ!」と言われていましたw …そうですね、最近もありましたねw 某大内先輩とかねww
Pさんは男士の件を踏まえているのかいないのかは謎ですが、知らなくて言ってたんならちょっとすごいなーと思ったり。どうだろね。
こう言われてさすがの信和君も返す言葉に困ったのかひたすら笑ってましたw;
レディース役の役作りについて。
最初は遠い世界の話で、自分にできるのかなって不安だったんですけど、最初の喧嘩のシーン、アクションの時とかに原作者の方にいろいろ指導してもらいました。とのことで。
「ヨロシク」の言い方も、寺崎さんのイメージだと「ヨロシクゥ!」って上げてく感じかと思っていたら、本物はまたちょっと違ったりしていたらしいです。
そんなこんなで締めのお時間。
「ハードライフが、またこういう形で上映されて嬉しいです。一度は見た方が多いんじゃないかと思いますが、こういう話をした後ですんで、また、ちょっと新鮮な目で見ていただけるんじゃないかと思います。二度目の人も三度目の人も、一度目の人もいるかもしれませんが、楽しんでください」と信和君。
「『私の叔父さん』で、それまで人を好きになるってそんなに深く考えたことなかったんですけど、叶わぬ思いとか、人を想う気持ちって楽しかったり切なかったり色々あるので、皆さんにも見て、色々考えるきっかけにでもなってもらえるといいです。
『ハードライフ』は私も色々挑戦してるので、その辺を楽しんでいただけると嬉しいです。また、作品も、人生辛いことがあっても、やり直せるんだって気持ちになるすてきな作品ですので、楽しんでください」と寺島さん。
ご挨拶はだいたいこんな感じ。
どうでもいいけど、最初のほう、寺島さんが話してる間中、謎のノイズ?が入っていて、寺島さんの話に相づち打ちながらもマイクをしきりに気にしてひねくりまわしてて、しばらくして寺島さんの息が当たってる音(ハンドマイクで喋るのなれてないのか、マイクの位置が近い)だ、と気がついてあとすっきりしたカオしてた信和君かわいかったですw
そこで一応お花渡す人は渡して、トークショー終了。ここで帰ろうかとも思ったんですが、左右の人たち普通に座ってるので、おとなしくそのまま見てきましたw; まあこっちの方には信和君出てるし見てない作品だし(酷い)。
一応映画の方の感想。どっちも個人的に好みじゃなかったので長かったな…。以下長文ですが殆ど誉めてませんw;
・「私の叔父さん」
原作未読&原作者の他作品も読んだことないです。純粋に映画見てだけの感想です。
終わってまず思ったのは「これなんてエロゲ?」。いや具体的な濡れ場はないからエロゲというと語弊があるかもしれないが、ギャルゲというにはちょっと生臭いし重いのでエロゲのエロなしバッドルート的なと言う方がいいのかなあ…ってそれはいいとして。
主人公は九州から上京してカメラマン見習いをしてて、金ない、だらしない、モテないのどっちかというと甲斐性なしキャラ。そこへ「年が近くて兄妹同様に育った」姪っ子が押し掛け女房さながらに世話焼いてくれて、主人公されるがまま。まず中の人の実年齢的に絵面に無理を感じるが、そこは映画だからととりあえずおいておく。しばらく一緒に過ごして、姪っ子は主人公を好きだった、愛してる、抱いてくれと迫るが主人公はさすがに拒否。翌日、家に帰るときに、実は結婚が決まってると告白する姪っ子。
で、無事に姪っ子は別の男と結婚し、子供も産まれて幸せになったかと思いきや、交通事故で死んでしまう。
それから約20年、姪っ子の娘が大きくなって、「自分は主人公に抱かれた、妊娠してる!」「主人公は母親(姪っ子)が好きだったから代わりにしたんだ!」と言いだす。実はよその男と不倫してできた子供らしいんだけど、なんでそんなことを言い出すかというと、自分も主人公が好き、でも自分の父親じゃないかと疑っていたらしい。結局、その娘っこの狂言に乗って「責任とって結婚します」となり、姪っ子の墓前に手を合わせに行くところで終了。
ざっとこんな話。
とにかく違和感なのは女性キャラがことごとく主人公に都合がいいこと。原作は男性作家だろうから仕方ないんだろうけど。
・主人公姉(=姪っ子の母親)はやたらと主人公に理解あって、姪っ子がいくら親戚とはいえそれなりの年の一人暮らしの男の家に一ヶ月とか住み込むのをあっさり許す。
孫(=姪っ子の娘)が「叔父さんの子供」とか言い出したときも「嘘だと思ってた」「法律的に問題はないから本当に愛し合ってるなら許す」とか言う始末。いやーいくら福岡が都会だとはいえこの年代にしては理解ありすぎじゃね? さすがにもっと保守的なもんなんじゃね?
・姪っ子 とにかく主人公に初手から好感度MAX。しかも呼び方が「お兄ちゃん」。飲んできて遅くなったのを晩ご飯作って自分も食べずにずっと待ってましたの健気描写とか、主人公が落ち込んでるときは根拠レスでも「お兄ちゃんはいいカメラマンになるよ」と笑顔で肯定。別の女の出入りの痕跡(主人公はスナックのホステスさんと緩く付き合ってる)を見つけてもチクチク責めたりせず軽く焼き餅を胸に秘め、当の彼女が押し掛けてきても笑顔で応対し、二人きりの時に拗ねてみせる。
それから朝からピンクの下着を目の前の堂々と干したり、風呂上がりにダボシャツ+生足でうろうろしたり、自転車に二人乗りして上半身べったり密着したりと微エロの誘惑も欠かさない。あげくの果てに「お風呂入ったし、下着きれいだから…いいよ」とか言っちゃう。
いやこいつ気持ち悪いだろ、と思ってしまうのは私が恋愛体質じゃないからか? それだけか?
一応「叔父と姪の禁断ゆえの切ない愛」とか「純愛」が売り文句だったような気がするけど、どこがやねん、と思ってしまったり。寝てなければ純愛なのか。それちょっと違うだろ。
なにがネックなのかというと、姪っ子ちゃんがなんで主人公のことそんなに好きなのかぜんぜんわからないこと。「小さい頃ずっと一緒だった」から。で具体的なエピソードとかは特に語られない。
主人公視点の物語で、こっちは特に恋に落ちてなかったから仕方ないとしても、主人公の感情の動きも特に語られないし、どっちにも全然感情移入できないんだよなあ。
で、クライマックスが「…いいよ」だと「純愛とかいって結局性欲かよ!」と思うわけですね。ううんエロゲの世界(ーー;)
でもその後、主人公に拒否られて破れかぶれでなきながら「二人きりで逃げようよ! 世間の目とかどうでもいいよ!」と訴えるヒロインは哀れで可愛らしかったです。ここだけ見れば。悲恋物に期待する切なさをやっとここで少し感じたよ。少しだけだけど。
誤解のないように言っておくけど、べつに女優さんが気持ち悪い訳じゃなくて、役とその描写が気持ち悪いという話なのであしからず。
・スナックのホステス
主人公が師事してるカメラマン先生の行きつけのスナックのホステスは主人公と一応大人のおつきあいの相手。いちおう彼女的には主人公にマジ惚れしてるらしいのだが、主人公が写真のなんか有名な賞を取ったと聞いたらそっと身を引いてしまう。
「アタシみたいな水商売の女が側にいたらあの人の為にならないわ」みたいな感じですかねー。けなげ。そして主人公は引き留めも追いかけもしない。
ちなみに彼女のそのシーンの前の出番が、姪っ子ちゃんが「結婚するんだ」つって別れていった後、主人公の家を訪ねてきて、主人公が千々に乱れた心と体を鎮めるために心おきなく押し倒す、というシーンだったので、なんだよヤリ捨てかよ、主人公はなんてクズ野郎だろうと思ったり。
それでその後何年かしてしれっと嫁になってましたとかならまだよかったけど、あくまでこの作品のヒロインは姪っ子ちゃんなので、そんんことはないわけで。主人公は姪っ子に操立てするかのように独身を通している訳ですな。
・姪っ子の娘
冒頭、主人公の家に泊まり込みにきてるところから話が始まってて、この子が禁断の姪っ子かと思ったら違ったw;
「お母さんは叔父さんを愛してたんだよ!」と主張し、主人公が撮った姪っ子の最後の5枚の写真の秘密を父親と主人公に謎解きして見せて、お腹によその男の子供を身ごもって主人公の元に嫁ぐという役どころ。
この子が実は一番よくわからない。主人公に懐いてるだけなら「親戚だから」でいいかもしれないけど、結婚までしようと思うに至る過程が全くわからん上に演技が棒なのでなおのことよくわからない。彼女の妊娠しでどうこうっていうのはまるっきり蛇足だったんじゃないかと感じてしまう。
で、それがなんか死んだ母親の身代わりみたいな感じで主人公と結ばれる(たぶん)ってわけだからまたものすごいご都合主義の臭いを感じてげんなりする。一応、姪っ子が主人公にお金借りにきて、「借金のカタに娘置いてこうか?」っていうシーンがあって、「あん時の言葉通りになったな」みたいな回収があるんだけど、これがとても浮いてるっていうか無理矢理な感じなんだよな…。
…どれか一人か二人だったらそんなに気にならなかったと思うんだけど、出てくる女キャラことごとくこんなんじゃさすがに「ないわ」と思わざるを得ないw; その嘘に共感してだまされたくなるほど主人公に魅力を感じないし(中の人はいい男だけど、役のアレ加減を凌駕するほどではない)。
そんなわけでなんだか疲れただけの映画でした。
でもさー、なんか切ない恋の物語、みたいに売ってる割には結構オチとかえぐいというか軽くホラーだと思うんだけどな。死んだ姪っ子の恋をその娘が成就させるというのもなんかドロっとした女の情念感じるし(死んだ姪っ子の怨念憑いてる?みたいな)、不倫した挙げ句の子供お腹に抱えて主人公の元に嫁ぐっていうのもかつて姪っ子の旦那が抱えたであろう鬱屈(娘は自分の娘じゃないんじゃないか?)っていうのの意趣返しに見えるんですけどー。娘さん実はお母さん(姪っ子)が亡くなった後、お父さんとギクシャクして辛くて、その復讐というかそんな感じで主人公に結婚しろとか迫ったのだったら納得いくなあとかまで思ったり。娘ちゃんの「おじさんならこういう愛の形もあるってわかってくれると思ったの」っていうのは「あんただって私の母親と不倫してた同じ穴の狢なんだから偉そうなこといえた義理じゃないだろ」ってことだよね(まあそれは娘ちゃんの思いこみなのだけど)。
なんかぱっと見は「若気の至りの過ちをおかした可哀想な子を丸ごと受け止めちゃう主人公かっこいい!」みたいな風に描かれているけど。
とりあえず、寺島咲がだめんずに一途に恋した健気可愛い妹キャラを演じるのを楽しむというスタンスオンリーで楽しむことをおすすめする。つーか監督の人もむしろ「妹キャラと禁断の恋萌えー!」がメインテーマだったのではなかろうかw それ以外のところを深く考えてはいけない作品だとおもいました。まる。
「ハードライフ」
こっちも原作未読。
昭和の不良少女更正もので、父母不仲な家庭の4姉妹の末っ子で家庭内で寂しい思いをしていた主人公は、ある日化粧品を万引きしようとして、別の不良さんに声を掛けられたのがきっかけで、地元の不良仲間とつるむようになり、レディースチームに入って頭角を現し、総長になる。雑誌とかにも出ちゃってアイドルみたいな存在になっていくが、別グループとの抗争で傷害罪で女子少年院送りになり、出てきたときにはレディースの仲間たちにはそっぽを向かれ、チームを追い出される。
で、昔の仲間と何となくつるんで覚醒剤に手を出し、もう死ぬのかなと思ったけど、またしても警察に保護され、お母さんと話し合うことで、も一回人生やり直してみようと思う。
だいたいそんな話。
…最初にお断りしておきますが私はこの手の「親に愛されなくて寂しいからグレました」系は「甘えんなボケ」と思って全否定になってしまって結構だめっすw; なのでどうしても「ふーん」みたいな目で見てしまうので、感想らしい感想はあまりないですw;
ヤンキーっていうよりは今となっては死語の「不良」と呼びたい感じ。ただ背景も女の子のメイクも平成風なのに、胸にサラシ巻いて特攻服とかの絵面が昭和のセンスなのでなんか違和感。車○正美のマンガの背景が妙にこぎれいになってるみたいな。
信和君の役は主人公の彼氏で、実は社長令息だけど、バイク盗んで違法なバイク売ってる店に売り飛ばしたり、トルエン吸ってラリったり、そのあげく主人公の友達と寝たり、結構しょうもないおつむの軽い不良少年。最初は主人公に「将来何になるの?」って聞かれて「おやじの会社継ぐかな」とか言ってたのに、主人公がレディースの総長になって名前売れてきたりすると「負けてらんねえ」とかって対抗意識を燃やしてヤクザ屋さんになったりする。
で、ヤクの売人やってて中毒になりかかった主人公と再会したり、そのあと所属の組の抗争で撃たれて死んでしまうという、いろんな意味でお気の毒な役回り。でもいろいろ足りない割に主人公のこと本気で好きだったんだよなーと思えるところもあってちょっと泣ける。
見所wのオデコは確かにきれいな富士額。富士額って言うか天然剃り込み状態って言うかw; 富士額のほかに半裸もあるよw 肌きれいでいいなー。
それから初対面のシーンはトーク思い出して笑いそうになって困ったですw
不良さんの世界は私の知らない世界なので興味深く見ましたが、高校生くらいで公園で集会とか、主人公のうちに集まってメイクの研究とかきゃっきゃしてるトコは可愛いし、子供子供した感じが見えるのに、木刀もって殴りあいとか、リンチとか薬だシンナーだってやってることのギャップが恐ろしいなーと良い年した身としては思うわけです。
ストーリーとしてはありがちなので、ジャンル愛好家か役者ファンにしかおすすめはしかねる感じですが、ノンフィクションて思うとちょっとスゴいよね…。
どうでもいいけど、主人公の母親が働いてるスナックのおねーさんが着てたワンピースが「私の叔父さん」のホステスさんが着てたワンピースだったような。二作の間の年月ってどのくらいだっけ。物持ちいいのかお気に入りなのかw
終了後、ロビーで原作者サイン入り原作本とかパンフとか売ってたらしいですが、スルーして帰ってきてしまいました。帰り道遠いからね! でもパンフくらいは見てくれば良かったなーと思ったり。
まあここのところ自分のチョイスではスルーする映画を見てて脳内に刺激があるのがおもしろいですw
でもどうせなら普通におもしろい映画にも出てください信和君w
PR
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック